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元利用者が語る、レンタルオフィスが最強の「精神と時の部屋」である理由

2025年9月29日
元利用者が語る、レンタルオフィスが最強の「精神と時の部屋」である理由

私が「賃貸」ではなく「レンタルオフィス」を選んだ理由

「よし、オフィスを借りよう」

そう決意したものの、すぐに大きな壁にぶつかりました。
一般的な賃貸事務所のハードルです。

敷金、礼金、保証金といった高額な初期費用。デスクや椅子、ネット回線の準備。そして、数年単位の契約期間の縛り…。


まだ法人化もしていない個人事業主にとって、そのリスクはあまりにも大きいものでした。

そんな時に出会ったのが、レンタルオフィスという選択肢です。

  • コストという現実的な壁:
    当時の私が検討できる予算は月々5万円でした。これは賃貸では考えられない金額でしたが、レンタルオフィスなら十分に選択肢がありました。
  • すぐに集中できる環境:
    デスクや椅子、Wi-Fi環境はすでに完備。契約後、パソコン一台ですぐに仕事を始められる手軽さは、何よりの魅力でした。
  • 安心の柔軟性:
    短期間での契約が可能という点は先の見えないスタートアップ期において、この柔軟性は大きな安心材料でした。

それはまるで、私の状況に合わせてあつらえられたかのようなちょうどいい選択肢。
まさに、私が求めていた答えがそこにありました。

「自宅」という名の聖域が、いつしか檻になるまで

なぜ私がレンタルオフィスを選んだか、をお話しする前に
そもそもなぜ、オフィスを借りようと思ったかについて少し触れておきます。

「自宅で仕事に集中できない…」

フリーランスや個人事業主として働く多くの方が、一度はこの壁にぶつかるのではないでしょうか。かく言う私も、その一人でした。

当時、一気に市場が拡大していた民泊の運営代行業でフリーランスとして独立して3年、コロナの影響を受け、民泊の仕事が立ち行かなくなった私は、前職で少し知見のあったノーコードでのWEB制作事業で生計を立てていました。コロナ禍が明け、民泊需要も戻り始め、他の事業も少しずつ軌道に載せていきたいタイミングで、まだ法人化の必要性を、ただ看板としか捉えていなかった私は、フリーランスという肩書きで仕事をとるのが難しいという幻想を抱いており、法人化を考えていました。

ちょうどその頃は、大阪市内、御堂筋沿線の駅から徒歩約7分程度の場所に、カップルが同棲するにはちょうどいいくらいの広さの1LDKのマンションに妻と二人で暮らしていました。

レイアウトが難しいL字型の10帖ほどのリビングの一角に、IKEAで購入したデスクが私の「マイオフィス」でした。

通勤時間はベッドから徒歩3秒
朝起きて、すぐ、好きな時間に仕事が始められる。
お昼ご飯の後、少し眠くなったらすぐにお昼寝して回復できる。
少しリフレッシュしたければシャワーを浴びられる。

当時を思い返しても、私の個人的な理想が詰まった仕事環境が整っていたのですが、半年後に、待望の第一子が生まれるというタイミングで、3枚のモニターを置き、海外から取り寄せたバックライトがおしゃれなメカニカルキーボード叩きまくっていた「マイオフィス」に対する、妻からの、冷たい視線とともに「そのスペース子供ができるから開けて欲しいんですけど」と、無言のメッセージがビシバシ届くようになりました(完全なる私の主観かつ被害妄想である可能性が非常に高いです)

夏休みの宿題を最終日まで残しておくタイプの私とは違い、準備をしっかり、早めにしておくタイプの妻は、オムツやベビー服、ベビー服用の背の低いクローゼットなどの購入をどんどん進め、リビングを子供のための空間へ、作り替えていってました。

そんなベビーグッズに圧迫され始めたリビングの片隅でキーボードを叩いている私にはもはや、理想を追いかけるための余白は残されていないように感じました。

この記事は、そんな私が自宅の中で『生活と仕事を共存させる』という、一見合理的に思えた選択肢を手放し、色々とリサーチをした結果たどり着いたレンタルオフィスという、外的要因が介入することができない、まさに「精神と時の部屋」のような空間を手に入れたことで、仕事の生産性だけでなく、家族との時間の質、そして何より自分自身の心の平穏を取り戻すまでの物語です。

もしあなたが今、画面の前で「わかる…」と小さく頷いているのなら、ぜひ、この物語にお付き合いください。これは、単なる場所探しの話ではありません。仕事も、家族も、そして自分自身も、すべてを大切にしたいと願う全ての挑戦者のための、新しい働き方の提案です。

自宅で仕事をするフリーランス男性と家事をする女性|在宅ワークの様子


ワークフロムホーム3つの落とし穴

「狭くなったのが原因なら、広い家に引っ越せばいいじゃん。」

わかります。

最初は私もそう考え、2LDKや3LDKの部屋を探していた時期もありました。

しかし、色々と考えていく中で、家で働くことのデメリットを感じるようにもなっていたと

自分でも気づき始めていたのでした。

無意識に削られていく、集中という名の資源

「集中しているつもり」でも、実は私たちの集中力は、些細なことで簡単に途切れてしまいます。

背後で動く妻の気配、鳴り響くインターホン、すぐ後ろから聞こえるテレビの音…。一つひとつは小さなことでも、その度に思考は無意識に中断され、再び深い集中状態に戻るには、決して少なくない時間とエネルギーを消耗します。

特に、もうすぐ父親になるというプレッシャーの中で、「もっと稼がなければ」「もっと事業を安定させなければ」という焦りが、この集中力の断片化に拍車をかけていました。

曖昧になる、仕事とプライベートの境界線

自宅で働くことの最も大きな罠は、仕事とプライベートの境界線が曖昧になることかもしれません。

リビングのデスクに座れば仕事モード、立てばオフモード。そんな簡単な切り替えができるほど、私の心は単純ではありませんでした。夕食の時間も、妻とテレビを見ている時間も、頭の片隅では常に仕事のことがチラついている。24時間365日、心から休まる瞬間がないような感覚に、少しずつ蝕まれていきました。

本当に欲しかったのは「ひとりの時間」だったのかもしれない

「家族との時間のために、家で働いているんだ」

そう自分に言い聞かせながら、心の奥底では、誰にも邪魔されない「完全なひとりの時間」を渇望していたのです。それは決して、家族が嫌いだとか、仕事から逃げたいとか、そういうことではありません。車にガソリンが必要なように、私たちの心にも、思考を整理し、空っぽにするための「余白」が必要なのです。

このままでは、仕事も、家族との関係も、そして自分自身の心も、すべてが中途半端になってしまう。そんな危機感が、私を新しい場所へと突き動かしました。

レンタルオフィスは最強の「精神と時の部屋」だった

こうして始まった、私のレンタルオフィス生活。それは、想像をはるかに超える変化を私にもたらしてくれました。

変化①:仕事への圧倒的な没入感

まず驚いたのは、仕事への集中力の質の変化です。

ドアを一枚隔てた先は、仕事のためだけに設計された空間。そこには生活感が入り込む余地はありません。
少し狭く感じる部屋も、一つの物事に没頭するにはちょうどいい空間演出でした。

家を出て、レンタルオフィスのドアを開けるタイミングで、脳が自然と「仕事モード」に切り替わるのがわかりました。
これまでと同じ時間働いているはずなのに、こなせるタスクの量も、生まれるアイデアの質も、明らかに向上したのです。

完全に自分だけの仕事空間。これは、一般企業に勤めていた時にも味わえなかった。
ただその空間に身を置くこと自体が、仕事へのモチベーションを高めてくれました。

変化②:仕事を置いて帰宅できる心の余裕

レンタルオフィスを契約してから、家に帰る時間が楽しみになりました。

時には、自宅のソファーに座りゆっくりと考え事をしたいこともあり、PCを持ち帰ることもありましたが、「もう今日は終わり!仕事しない!」という時は、思い切ってレンタルオフィスにPCや仕事道具を置いて帰ってしまうことで、完全に仕事から切り離された時間を作ることができました。

これは長い間、フリーランスとして家で仕事をしていた自分にとっては、とても新鮮で、心地の良い体験でした。

家に仕事を持ち込まない。ただそれだけのことで、妻と過ごす時間の質は劇的に向上し、子供が生まれるまでの妻との二人きりの最後の時間を心ゆくまで満喫することができました。

変化③:手に入れた、自分だけの「間」

そして何より大きかったのは、自分だけのスペースを手に入れられたことです。

オフィスへの行き帰りの時間。
仕事の合間に、ラウンジスペースで一人、コーヒーを飲む時間。
誰にも邪魔されず、思考を自由に巡らせる時間。時には、何も考えずに、目を閉じて思考を止める時間。

この一見簡単に作れそうな無駄にも思える時間が、私の心に大きな余裕を生み出してくれました。
この精神的な余白こそが、仕事に向き合う集中力であったり、日々プレッシャーと戦う自分を支える根源になっていたと、今ならわかります。

レンタルオフィスで集中して働くフリーランス男性|個人事業主の仕事風景

科学も証明する「ひとり」と「誰か」の絶妙なバランス

これは、妻がいる家で仕事ができない、の逆説的な話になってしまうかもしれませんが、少し意味合いが違います。

私は、少し集中が途切れると、場所を移し、公共エリアで作業をすることもありました。
私が実践していたこの方法は、実は科学的にも根拠のある効果的な集中力を高めるためのテクニックでした。

実は、「カフェや図書館のような、人の気配が適度にある場所の方が、一人きりの部屋よりも仕事がはかどる」という現象は、心理学の世界で社会的促進*1という名前で知られています。

*1 京都橘学園 総合心理学部より

他者の存在が、良い意味での緊張感や競争心を生み、個人のパフォーマンスを高めるというのです。

レンタルオフィスには、私のように個室で黙々と作業に打ち込む人もいれば、共用のラウンジスペースで作業をしている人もいます。

完全に一人で集中したい時は個室で。少し気分を変えたい時や、他者からの刺激が欲しい時はラウンジで。その日の気分や業務内容に合わせて働く場所を使い分けられる環境は、まさにこの「社会的促進」の効果を最大限に引き出すための、この上ない空間だと言えるでしょう。

こういうところは少し嫌だった

とはいえ、完全に自由を謳歌できる、100%のプライベート空間ではないので気になることはいくつかありました。

  • ドリンクサーバーが突然撤去された
    入居当初は、コーヒー、お茶、ソフトドリンク類が飲み放題でしたが、利用マナーが悪い人が多かったため、突然撤去されました。
    決め手になったわけではないので、ダメージはないのですがちょっと酷いなと思いましたw
  • 受付がないので、荷物の受け取りが不便
    私は重要な荷物の受け取りは少なく、あまり気にしない方なので置き配で対応してましたが、郵便物の受け取りが多い方や、重要な荷物が届く業種であれば、無人タイプのレンタルオフィスは厳しいと思いました。
  • トイレが少ない
    入居できる人数の総数に対して、トイレの数が少なすぎました。というか事務所ビルの共用トイレだったので、男子トイレは個室が一つと、圧倒的に数が不足していました。内覧時はどうしても働くスペースに気を取られがちでしたが、内覧時はこの点もしっかり確認すべきだと結構反省しました。

これは決して当時使っていたレンタルオフィスに苦言を呈したいわけではありません。これからレンタルオフィス利用を検討するまたは既に検討していて、今この記事を既にここまで読んでくれているあなたへ、内覧時に気をつけて欲しいなという思いから述べました。

場所を変えれば、人生の景色が変わる

都市を背景に時間を確認するビジネスマン|効率的に働く個人事業主のイメージ


ここで、正直にお話しなければならないことがあります。 私の起業という挑戦は、残念ながら、成功という形で締めくくることはできませんでした。
事業はうまくいかず、悩み抜いた末に、会社をたたむという決断をしました。現在は会社員として、新たな道を歩んでいます。

この記事を読んで、「なんだ、結局失敗した人の話か」と思われるかもしれません。

しかし、 あの時、レンタルオフィスという選択をしたことに後悔は1ミリもありません。

レンタルオフィスを借りるという選択をしたことは、単なる経費ではなく、私の人生の中でも非常に価値のある「投資」だったと、今改めて思います。

それは、仕事の生産性を上げるための場所代という意味だけではありません。

愛する家族と心を通い合わせる時間を、自身の心の平穏を、そして未来の可能性を、守り育むための投資でした。

レンタルオフィスに限らず、事務所を構えること、ひいては法人化すること自体が事業の成功を約束する魔法の杖ではありません。


しかし、人生で最も濃密で、最も困難だった私の挑戦の「プロセス」そのものを支えてくれる場所でした。

場所を変えれば、思考が変わる。

思考が変われば、行動が変わる。

そして、行動が変われば、きっと、あなたの人生の景色も変わるはずです。

OFFiTsには、あなたと同じように、仕事と人生に真摯に向き合う多くの仲間がいます。「どんな人が利用しているんだろう?」と少しでも気になったなら、ぜひ一度、その扉を開いてみてください。

ライタープロフィール

くれゆう 1993年生まれ男性、一児(娘)の父。

民泊運営代行業でフリーランスとして独立後5年活動。コロナ禍は独学で、ノーコードWEB制作などを学ぶ。30歳の節目でレンタルオフィスを拠点に法人を設立。代表として奮闘するも、事業をクローズし一度修行のため会社員として再奮闘中。成功も失敗も包み隠さず語ることで、挑戦する人のリアルなヒントを発信することを心がけます

【主な経歴】

2017年:民泊運営代行・清掃代行業で独立。
2020年:コロナの影響で民泊事業が1割稼働になり、WEBマーケ、ノーコード開発を学び事業を開始人化を見据え、大阪市内のレンタルオフィスを契約。
2023年: WEB事業を軸に法人設立。代表取締役に就任。
2025年: 事業をクローズ
現在: 市内ブランディングコンサル企業にて会社員として勤務。

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